高麗人参と子宮内膜症 – 女性の健康

2022.04.9開発ブログ

子宮内膜症は症状が現れるまで長い間沈黙があります。そのため診断もされることが少なく、身近な病気と考えられてきませんでした。しかし近年になって女性の間で高い頻度で発生していることから、にわかに注目を浴びています。

しかし、子宮内膜症は有効な薬理学的解決策が確率されていないため、子宮内膜症に悩む女性たちは重く辛い症状を緩和するために、天然物市場に目を向けています。
一方、高麗人参のような健康特性を持っている生薬に関する研究はますます盛んになっており、特に女性の健康の分野で新たな応用の可能性が浮かび上がってきています。
世界的に有名な高麗人参の根には子宮内膜症の症状を緩和する可能性があり、自然性、安全性、有効性の面でますます厳しい消費者のニーズに応えることができるのではないでしょうか?

「女性の健康」シリーズの第1回と第2回では、女性の健康と幸福のための栄養補助食品に対する需要がますます高まっている中で、高麗人参の有望な可能性を明らかにしました。
特に更年期障害の緩和の可能性に重点を置き、多くの研究の裏付けがあることを強調しました。

1. 子宮内膜症 – 発症率と症状

子宮内膜症は妊娠可能な年齢の女性の10%、慢性骨盤痛や不妊に悩む患者の20~50%が罹患すると推定されています[2]。
子宮内膜症は、子宮腔以外の子宮内膜組織の増殖と定義されています。一般に、重大な婦人科的疼痛(骨盤または腹部、しばしば慢性)、月経痛、性交痛を引き起こし、最も重症の症例では不妊症になることさえあります。また、無症状で何年も発見されない、または診断されないケースもあります。

フランスの子宮内膜症協会(EndoFrance)は、慢性的かつ痛み(初潮から)を伴うにもかかわらず、この病気はまだほとんど知られておらず、医療専門家による診断がほとんどおこなわれていないため、平均診断期間は7年であると推定しています。
これは、腹腔鏡検査という骨盤内にカメラを挿入し、子宮内膜症病変の有無を観察する侵襲的な検査しか決定的な診断方法がないことが一因と考えられます。また、この病気は腸の病気でもあるため、誤診を引き起こす可能性もあります。
このように、近年の問題意識から子宮内膜症による不都合を長期的に解消するための治療法が重要であると思われます。

しかし、現在のところ、子宮内膜症に対する決定的な治療法はありません。
手術は侵襲性が高く、再発のリスクもあります。それ以外に最も普及しているのは、ホルモン治療です。この治療の目的は、痛みと子宮内膜症病変の主な原因であるエストロゲンの産生を阻害するために無月経(持続的避妊薬)、あるいは人工閉経を誘発することです。ホルモン療法は女性のQOL(生活の質)を向上させますが、症状を軽減するだけで、重大な副作用をもたらす可能性があります。そのため、新たな治療法を検討する必要があります。

2. 高麗人参と子宮内膜症

子宮内膜症の発症率が高く、女性の生活の質や生殖能力に深刻な障害をもたらすことから、現在の薬物療法に代わる非ホルモン療法の必要性が高まっています。
高麗人参は長い間使用されてきた歴史があり、科学的な研究によって多くの健康効果が裏付けられています。

その中でも抗腫瘍、抗酸化、免疫調整、抗炎症作用は、子宮内膜症のような病態における炎症状態にプラスの影響を与える可能性があるとされています。したがって、高麗人参とそのサポニン化合物は子宮内膜症に関連する生理病理を抑制し、最終的にその解決を助ける大きな可能性を持つ天然のソリューションとして登場する可能性があるのです。

2.1. 子宮内膜症病変の抗増殖作用

いくつかの研究は紅参サポニン抽出物、および個々のジンセノサイドRg3、PPD、PPT、Rh2による処理が、時間および用量依存的に子宮内膜症患者由来のヒト内膜間質細胞(HESCs)の生存率を著しく低下させることを示しています[2-40](つまり、サポニンは子宮内膜症細胞のアポトーシスを誘導する)。

また、Rg3処理はHESCsの増殖性(Ki67マーカー)、および浸潤性(MMP2、MMP9マーカー)を著しく低下させ [3-4]、in-vitroのみならず、in-vivoにおいても線維化マーカーの低下(CTGF, Col-1, fibronectinおよびTGF-β1)を誘発します [3].

子宮内膜症細胞に対する高麗人参サポニン、特に Rg3 のこの in-vitro プロアポトーシス効果のメカニズムは、疾患の病因に関与するマイクロ RNA の発現の調節に関連すると考えられ、プログラム細胞死/プロアポトーシス酵素であるカスパーゼ 3 の発現増加を伴うものでした。したがって、これらのmiRNAを調節することは子宮内膜症の治療のための新しいアプローチとなる可能性があります。
In vivoでは、子宮内膜症モデルマウスにジンセノサイドRg3を補充すると子宮内膜症病変のサイズ、成長、線維化の性質が著しく阻害されることが示されています[3, 40]。

2.2. HESCのオートファジーの回復

hESCは増殖能(腫瘍様能力)が高く、アポトーシス能が低いことに加えオートファジーが低いことが特徴です。
Rg3、およびPPDジンセノサイドは、ラットの血清エストラジオール濃度を低下させ、その結果、子宮内膜病変の発生を著しく抑制する作用があることが示されています[5-6]。
特にジンセノサイドPPDの抗子宮内膜症活性は、オートファジー関連タンパク質(CXCL12/CXCR4, Beclin-1, LC38)を介したエストラジオールを介したオートファジー抑制の3メカニズムに依存しています[5]。
オートファジーの減少、したがって「異所性子宮内膜症組織の効率的な除去」は、さらにNK細胞の細胞傷害性の障害に関与しています。 PPDジンセノサイドは処理によって直接的、あるいはPPD前処理した異所性HESCとの共培養において間接的にナチュラルキラー(NK)細胞を活性化する可能性が示されています[5]。そのメカニズムは自然細胞傷害性受容体の活性化の上昇に基づくと考えられています。

したがって、Rg3およびPPDジンセノサイドによるHESCsのオートファジー機能の回復は、子宮内膜症の治療にも関心のある治療経路を提示しています。

2.3. 抗血管新生作用

子宮内膜症における線維性組織(異所性HESC)の増殖は、既存のネットワークからの血管の生成(血管新生)を伴うものです。したがって、このプロセスをブロックすることは病気の発症/進行を遅らせ、異所性HESCのアポトーシスを促進すると考えられます[6]。
子宮内膜症の文脈におけるジンセノサイドRg3の抗血管新生能には、NF-kBシグナル伝達経路 [4] とPI3K/Akt/mTORシグナル伝達経路 [6] という2つのメカニズムが関与している可能性があります。

腫瘍学で広く用いられている抗血管新生アプローチは、子宮内膜症の治療においても高い可能性を持っていると思われます。

結論

結論として、高麗人参サポニン(およびその高貴な生物活性体)は子宮内膜症のさまざまな発症因子に対するマルチターゲット作用、およびその症状や生殖能力に対する潜在的リスクの大幅な緩和を実証しています。
したがって、高麗人参とその活性化合物は女性の健康と幸福の観点から、既存の栄養補助食品を改善するための効果的な天然で非ホルモン性の代替品を構成する可能性があります。高麗人参の新しい応用の可能性は臨床の場において安全で副作用がないことを保証するために、さらなる調査が必要です。

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REFERENCES

[1] Actif’s Mag n°75, Printemps 2021 (p.20-21).

[2] Park, J. H., Lee, S. K., Kim, M. K., Lee, J. H., Yun, B. H., Park, J. H., … & Choi, Y. S. (2018) – “Saponin extracts induced apoptosis of endometrial cells from women with endometriosis through modulation of miR-21-5p.” Reproductive Sciences, 25(2), 292-301.

[3] Kim, M. K., Lee, S. K., Park, J. H., Lee, J. H., Yun, B. H., Park, J. H., … & Choi, Y. S. (2017) – “Ginsenoside Rg3 decreases fibrotic and invasive nature of endometriosis by modulating miRNA-27b: in vitro and in vivo studies.” Scientific reports, 7(1), 1-14.

[4] Huang, R., Chen, S., Zhao, M., Li, Z., & Zhu, L. (2020) – “Ginsenoside Rg3 attenuates endometriosis by inhibiting the viability of human ectopic endometrial stromal cells through the nuclear factor-kappaB signaling pathway.” Journal of gynecology obstetrics and human reproduction, 49(1), 101642.

[5] Zhang, B., Zhou, W. J., Gu, C. J., Wu, K., Yang, H. L., Mei, J., … & Li, M. Q. (2018) – “The ginsenoside PPD exerts anti-endometriosis effects by suppressing estrogen receptor-mediated inhibition of endometrial stromal cell autophagy and NK cell cytotoxicity.” Cell death & disease, 9(5), 1-13. 

[6] Cao, Y., Ye, Q., Zhuang, M., Xie, S., Zhong, R., Cui, J., … & Cao, L. (2017) – “Ginsenoside Rg3 inhibits angiogenesis in a rat model of endometriosis through the VEGFR-2-mediated PI3K/Akt/mTOR signaling pathway.” PloS one, 12(11), e0186520.

[7] Jie, Z. O. U., Zheng, G. U. A. N., Zhang, W. Y., Wei, X. I. A. O., & Ya-Li, L. I. (2013) – “Beneficial effects of the Chinese herbal medicine Sanjie Zhentong Capsule on experimental endometriosis in rats.” Chinese journal of natural medicines, 11(6), 666-672.

参照元:Ginseng & Women’s Health – Endometriosis


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