高麗人参に含まれるサポニンの種類とは

高麗人参に含まれるサポニン（ジンセノサイド）の種類や効能も紹介

高麗人参は滋養強壮や疲労回復に効果があることで注目されている植物です。そして、これらの効果に関わっているのが「サポニン」と呼ばれる物質です。
今回は、サポニンとはどのような物質で、どのようなサポニンが高麗人参に含まれているのか紹介していきます。

サポニンとは

サポニンとは、抗酸化物質（活性酸素の発生やその働きを抑制する効果がある物質）として知られているポリフェノールの一種です。
ちなみに、サポニン以外の物質で身近なポリフェノール類として知られている物質としては、アントシアニン（ブルーベリーに多く含まれる）、カテキン（緑茶に多く含まれる）などがあります。

ポリフェノールの一種とされるサポニンですが、化学的構造としてはトリテルペンなどに糖が結合した配糖体と呼ばれる物質であり、昔から漢方では、サポニンが多く含まれる植物を痰切りや咳止めの薬として利用してきた(*1)ことが知られています。

サポニンが多く含まれる食材

サポニンが多く含まれる食材としては、大豆が知られています。

また、オウギ、キラヤ、キンセンカ、ユッカ、アルファルファおよびキンギンカといった植物にも含まれることが知られています（*2）。
これらのサポニンの効果としては，免疫増強効果、去痰作用や心臓および呼吸に対する抑制効果、抗炎症および抗菌といった作用があることが報告されています（*2）。

また、高麗人参もサポニンが多く含まれる植物であることが知られています。

高麗人参に含まれるサポニン（ジンセノサイド）

高麗人参にはサポニン（ジンセノサイド）が含まれていますが、どのような種類があり、どのような効能を持つのでしょうか。

日本薬局方における高麗人参の定義

日本薬局方（第17改正）における高麗人参に関連する記載としては、「人参」「人参末」もしくは「紅参」として記載されていますが、オタネニンジン（Panax ginseng）の生薬の乾燥物に対し、ジンセノサイドRg1を0.10%以上およびジンセノサイドRb1を0.20%以上含むものとして定義(*3)されています。

高麗人参に含まれるジンセノサイドの種類

高麗人参に含まれるサポニンはジンセノサイドやジンセノシドと呼ばれますが、一般に学名がPanax ginsengで知られるアジア種の人参には少なくとも18種類のジンセノサイドが含まれていることが知られています（*2）。

この中でも代表的なものが日本薬局方にも記載のあるジンセノサイドRg1およびジンセノサイドRb1となります。これら2種類以外にも、ジンセノサイドR0、Rb2、Rb3、Rc、Rd、Re、Rf、Rf2（*2）といったように、多種のジンセノサイドが含まれていることが報告されています。

高麗人参に含まれるジンセノサイドの効果

高麗人参には多数のジンセノサイドが含まれますが、高麗人参に含まれているジンセノサイドの効果として
ジンセノサイドRg1：弱い中枢神経興奮、血圧低下、抗疲労効果がある
ジンセノサイドRb1：中枢神経鎮静、血圧降下、下熱、抗不安、抗腫瘍などの作用がある
ことが知られています（*2）。

高麗人参の有効成分サポニン（ジンセノサイド）

今回は、高麗人参に含まれる有効成分であるジンセノサイドについて紹介しました。

ジンセノサイドはポリフェノールであるサポニンの一種であり、高麗人参に含まれるサポニンであるジンセノサイドは中枢神経系への作用や抗疲労、抗不安などに効果があるとされています。
現代では漢方薬の生薬としての利用や朝鮮半島ではサムゲタン、人参酒および人参茶の材料として高麗人参は利用されています。

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引用元：
*1 https://www.mame.or.jp/eiyou/kinou.html
*2 天然　食品・薬品・香粧品の事典（朝倉書店発行）
*3 https://www.pmda.go.jp/files/000210790.pdf