漢方や食用など高麗人参の身近な用途とは?

2021.09.30高麗人参

~韓国では身近なところでも利用されている~

健康食品として耳にすることが多い「高麗人参」ですが、日本国内では医薬品として盛んに利用されています。また、お隣の国である韓国に目を向けると、日ごろの食品としても利用されています。実際に、どのような用途で利用されているのか詳しくみていきましょう。

漢方薬原料としての高麗人参

高麗人参に含まれるジンセノサイド(サポニン)は、心身の健康を改善する滋養養強壮剤として利用されるほか,呼吸器疾患、うつ病、不安など様々な健康問題を改善すると言われています(1)。
そのため、高麗人参は漢方薬を作るための生薬としてよく知られています。

 日本薬局方における高麗人参の記載

日本薬局方(第十七改正)によれば、高麗人参は「人参」、「人参末」もしくは「紅参」として収載されています。

人参

人参は、オタネニンジン(Panax ginseng)の細根を除いた根もしくはこれを軽く湯通ししたもの。生薬の乾燥物に対し、ジンセノサイドRg1を0.10%以上およびジンセノサイドRb1を0.20%以上含む(2)ものと定義されています。

人参末

上述の人参を粉末状にしたもののことを人参末として定義しています(2)。 

紅参

紅参は、オタネニンジンの根を蒸したもので、生薬の乾燥物に対し,ジンセノサイドRg1を0.10%以上およびジンセノサイドRb1を0.20%以上含む(2)ものと定義されています。

高麗人参が含まれる主な漢方薬

日本国内における身近な高麗人参の利用法としては、漢方薬が挙げられます。
漢方薬は、いくつもの生薬を組み合わせて作られているお薬ですが、高麗人参の効果を期待され、高麗人参が配合されている漢方薬が多数あります。

代表的なものとしては

  • 人参湯:胃腸全般の調子をよくする
  • 人参養栄湯:体力低下、寝汗、手足の冷え、貧血などの症状に利用

などが知られています。 

食品やお酒としての利用される高麗人参

高麗人参の利用が盛んなお隣の国である韓国では、日ごろの食事や飲み物としても登場します。サムゲタンの材料の1つとして高麗人参が含まれる他、高麗人参を利用したお酒やお茶があり、高麗人参は多様な用途で使われています。 

サムゲタン

サムゲタンとは、韓国料理では薬膳料理として親しまれており、鶏肉の中に高麗人参やもち米、なつめ、松の実などを詰めて、長時間煮込んだ料理です。
疲労回復効果があるとされ、日本では土用の丑の日として知られるように、夏場にウナギを食べる習慣がありますが、韓国では夏の暑い時期の夏バテ防止として、サムゲタンを食べるという習慣があります。さらに、サムゲタンと一緒に高麗人参酒をいただくことも多いようです。

高麗人参茶(人参茶)

また韓国では、高麗人参をお茶としても飲用しています。
高麗人参をゆっくりと煎じて作ることもあれば、現在では飲みやすいよう、高麗人参を粉末状にし、お湯で溶かして飲むインスタント様のものまであります。
人参茶もまた、滋養強壮やリラックス効果があるとされています。 

韓国では、食事としても根付いている高麗人参

滋養強壮作用が注目される高麗人参ですが、高麗人参に含まれるジンセノサイド(サポニン)は、滋養強壮作用のみでなく、うつや不安など様々な健康問題を解決する可能性が期待されています。

日本では、医薬品の1つである漢方薬の原料として、主に利用されている高麗人参ですが、利用が盛んな韓国では、日本でいう土用の丑の日にあたる習慣として、高麗人参を含んだサムゲタンが薬膳料理として食されています。さらに、高麗人参を利用したお茶やお酒などが多く販売されています。

私たちも、疲労回復や夏バテ防止を目的に、お隣の国の韓国のように、日ごろの食事や飲み物として、高麗人参を日常的に取り入れてみるのもよいかもしれませんね。

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参照元サイト

(1)https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/03.html
(2)000210790.pdf (pmda.go.jp)


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