高麗人参とは?高麗人参にどんな種類がありますか?
2020.08.8高麗人参
薬用人参の代表ともいえる高麗人参は、有効成分サポニン(ジンセノサイド)を含み、2000年以上も前から滋養強壮や虚弱体質の改善に用いられてきました。
しかし、ひとくくりに「高麗人参」といっても、その産地や製法、品質により様々な種類や呼び名があるのをご存じでしょうか。
今回は、高麗人参の種類について、薬用人参の種類、原産地、加工方法、グレード別の4つに分けてご紹介します。
薬用人参の種類
古くから薬膳や漢方薬に使われてきた高麗人参は、ウコギ科Panax属(トチバニンジン属)のオタネニンジンに由来し、私たちが普段口にしているセリ科の人参とは全くの別物です。
薬用人参は高麗人参(朝鮮人参)の他にも、田七人参、シベリア人参、西洋人参、ベトナム人参などがあり、世界各地で栽培されています。
しかし、これらの人参は一様に同じサポニンを含んでいるわけではありません。
それぞれの産地の影響を受け、含まれるサポニンの種類が少しづつ異なっているのです。
そのため効能や効果も、少しずつ違っていることが知られています。
高麗人参の原産地
高麗人参はもともと済州島を除く朝鮮半島の全域とロシア、中国の満州地方で自生していた植物です。
しかし、時代が進むにつれ高麗人参は世界中に広まり、日本、アメリカ、カナダなどの国でも栽培されるようになりました。
高麗人参の有効成分サポニン(ジンセノサイド)の含有量は、生産地の土壌や気候に大きく影響を受けるといわれており、もともとの自生国である韓国産の高麗人参が最も多く、次いで中国産、日本産の順に多いといわれています。
加工方法の違いによる高麗人参の種類
高麗人参は、加工方法により紅参、白参、水参の3種類に分けられます。
「紅参」は4年以上の高麗人参を皮をはがずに蒸し、水分が14%以下になるまで乾燥させたものです。
サポニンの含有量は3種の中でトップで、長期保存ができ消化吸収率が高いのが特徴です。
紅参がなぜサポニンを多く含むのでしょうか。それはサポニンの含有量が多い栽培年数が長いものを使用していること、加えてサポニンが多い皮の部分をはがずに加工されるためです。
「白参」は4年根の皮を竹製のヘラではいで、天日干しで乾燥させたものです。白色をしているため、白参という名がつきました。
「水参」は収穫した生の状態の高麗人参で、全ての人参製品の原料となります。
品質グレードによる高麗人参の種類
収穫された高麗人参は根っこの大きさ、内部の状態、品質などを見ながら4段階に選別されていきます。
元々希少価値が高く、高級品として扱われる高麗人参ですが、その中でも品質を示すグレードがあるのです。
高麗人参のグレードは最も品質の高い「天参」から4段階に分けられます。
「天参」(約0.5%以下)
「地参」(約1.9%以下)
「良参」(約22%以下)
「切参・その他」(約75%以下)
上位3種を合わせても全体の3割に満たないほど、グレードの高い高麗人参は希少性が高く、その分高価なものとなります。
まとめ
二千年以上も前から、庶民にはなかなか手に入らない高級品として珍重されてきた高麗人参ですが、薬用人参の種類、その原産地、加工方法、品質グレードにより様々な種類の高麗人参があることがおわかりいただけたでしょうか。
現在では、高麗人参を含む商品は、漢方薬、サプリメント、育毛剤、薬膳料理など、多岐に渡ります。