高麗人参とED(勃起不全)

2024.02.3高麗人参

高麗人参の効果

男性の精力増強に効果を発揮する高麗人参

加齢による男性特有の悩み

40歳以降の男性には加齢による男性特有の症状が現れます。
例えば、男性ホルモンのテストステロンが低下することにより、やる気ができない、常に身体がだるいといった男性の更年期障害。
精子運動率や精子正常形態率も加齢とともに低下すると言われており、 30歳代と比較すると50歳代では精液量は3~22%、精子運動率は3~37%、精子正常形態率は4~18%低下するという報告もあります。
また、ED(勃起不全)も加齢とともに現れる悩みだといわれています。

男性特有の悩みと高麗人参

高麗人参は、その有効成分により男性の健康と幸福をサポートする可能性を秘めています。高麗人参は疲労回復や免疫力向上、ストレス緩和など多くの効果が期待されていますが、最近の研究では、ED (勃起不全)に対しての効果があるといわれています。

EDは40代以降の男性に多い

EDは、性交のための十分な勃起が得られない、または維持できない状態を指します。この症状は、以前は年配の男性に多いと考えられていましたが、現代では特に40代以降の男性が精力の衰えとともに、勃起機能の悩みを抱えているといわれています。EDは生殖機能の問題だけでなく、働き盛りの男性の心理的、社会的にも問題も引き起こし、人生の精神的充実や生活の質にも影響を与える可能性があります。

それでは具体的に、EDに悩む男性への高麗人参の効果についてご紹介します。

ED(勃起不全)の様々な要因

・心因性要因、器質性要因

心因性要因は勃起の物理的メカニズムはそのままで、仕事の心労や過去の性交の失敗からくる不安、抑うつ状態、家庭や職場の人間関係のストレスなどの心理的要因で、勃起機能が低下しているというものです。心因性要因は、40代未満の男性におけるEDの主な原因であり、症例の83%を占めます[1]。
器質性要因は、主に加齢に伴う身体に起因するものです。最も一般的な病因としては、血管疾患による血流障害、神経疾患による神経機能障害、またホルモンバランスの乱れがあり、特に男性ホルモンであるテストステロンの低下は勃起機能不全、精力や性欲減退などと密接な関係があるとされています。

・血流要因

脳が性的刺激を受けると、陰茎(ペニス)の内皮細胞から一酸化窒素NO(エヌオー)が放出されます。NOは陰茎海綿体の平滑筋の中でcGMPという血管を拡張する物質を生成し、平滑筋の弛緩が誘導し、血流が増加して勃起が起こります。したがって、NO濃度が低下すると平滑筋の弛緩が不十分となり血流低下を招き、勃起不全を引き起こすと考えられています。

・生活習慣要因

代表的な生活習慣病である高血圧症、糖尿病もEDを引き起こす要因と考えられています。勃起は、脳が性的刺激を受け、陰茎(ペニス)に大量の血液が流れ込むことによって起こります。
高血圧とは、動脈の血管が硬く細くなり、柔軟性が無くなり、血液循環が悪くなっている状態ですので、当然陰茎に流れ込む血液量も減少します。さらに、糖尿病になると、血管への障害のみならず、神経にも障害をきたします。脳から陰茎に勃起指令が伝わりにくくなることで、勃起機能不全へとなりうるのです。

・酸化ストレスと炎症

高麗人参は、勃起機能の改善に加えて、酸化ストレスと炎症を抑制し、陰茎組織を保護し、血流を改善するのに役立つと考えられています。酸化ストレスと炎症の増加は、内皮細胞を損傷し血流低下を招き、勃起不全の要因となる可能性があります。

男性の精力増進と高麗人参

・心理的ストレス緩和

高麗人参(Panax ginseng)は朝鮮人参やオタネニンジンという名称でも知られ、有効成分を多種含んでいます。中でも高麗人参特有の有効成分サポニンは「ジンセノサイド」と呼ばれ、優れた効能を持ちます。 EDにおいては、ジンセノサイドが特に心因性要因へアプローチし、不安やストレスを軽減し、気分や精力を改善し、性欲増強や勃起機能の改善に役立つ可能性があるといわれています。

・血流改善

高麗人参は内皮細胞におけるNOの産生を増加し血流を改善するだけでなく、有効成分であるジンセノサイドのRg5およびRh4は、NOを合成する酵素である内皮一酸化窒素合成酵素(eNOS)の活性も増強させるといわれています[2]。

・血管への作用

高麗人参に含まれる有効成分ジンセノサイドは自律神経を安定化し、交感神経優位による血圧の上昇を抑えるといわれています。また、高麗人参には血管を拡張させる作用があり血流増加が期待されています。

・抗酸化作用

高麗人参の有効成分ジンセノサイドのRg3は、糖尿病ラットの海綿体機能細胞において抗酸化作用を発揮し、勃起機能の改善を示しました[3]。

終わりに

EDに対する高麗人参の効果をよりよく理解するには、多くの臨床データが必要ですが、期待できるデータ結果がいくつかあります。これらのデータには、高麗人参が性交満足度に貢献し、副作用がほとんどないことが示されています [2]。
構造活性相関研究によると、高麗人参の加工人参とEDの有効性の間に正の相関関係があるという証拠もあります。特に、高麗人参の特有成分ジンセノサイドのRk1、Rk3、Rh4、Rg5は、より高い抗ED活性が期待されています [4]

Bibliographic references

[1] Caskurlu T, Tasci AI, Resim S, Sahinkanat T, Ergenekon E. (2004) – “The etiology of erectile dysfunction and contributing factors in different age groups in Turkey.” Int J Urol. 2004 Jul;11(7):525-9

[2] Jang, D. J., Lee, M. S., Shin, B. C., Lee, Y. C., & Ernst, E. (2008) – “Red ginseng for treating erectile dysfunction: a systematic review”. British journal of clinical pharmacology, 66(4), 444-450.

[3] Liu T, Peng YF, Jia C, Yang BH, Tao X, Li J, Fang X (2015) – “Ginsenoside Rg3 improves erectile function in streptozotocin-induced diabetic rats”. J Sex Med. 2015 Mar;12(3):611-20.

[4]  Ying A, Yu QT, Guo L, Zhang WS, Liu JF, Li Y, Song H, Li P, Qi LW, Ge YZ, Liu EH, Liu Q (2018) – “Structural-Activity Relationship of Ginsenosides from Steamed Ginseng in the Treatment of Erectile Dysfunction.” Am J Chin Med. 2018;46(1):137-155.

参照元:https://botalys.com/botanicals/korean-ginseng/men-health/


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